2021年 02月 19日
遅い言葉(年中)
通園を嫌がったりしたこと(だからといって大好きという感じでもない)は3年間一切なかった。
ただ年中の半年間くらい、園から帰宅すると、カバンを置くなりすぐにピアノに向かい弾きまくった。
帰宅して手も洗わないで直行なので、当初は何度も手を洗ってからにしてと声をかけても全くピアノの前から動かず、
一心不乱に大体30分から1時間くらい音を出した。
弾くといっても、両手でデタラメに音を出しているだけだ。
教えてもいないし習ってもいないからだ。
それが続いたし、デタラメといっても強打しているだけではなく、本人なりに弾いている感じも醸し出していたので、
もしかするとピアノが好きなのかなと思い始めた。
ドレミくらい教えた方がいいのかなと、声をかけても「いらない」だったので、気が済むまでそのままにしておいた。
あまりに続くのでさすがにおかしいと思い始めた。
園から帰宅するときだけピアノに向かい、それ以外ピアノに触らないと一貫していた。
そもそも生まれた時からピアノは存在していたのにそれまでは一切興味を持たなかったのに、急に始まった。
natsukiは言葉を話すのが遅かった。
言葉が出るようになってもおしゃべりは少ない方だった。
幼稚園に通うようになっても、園生活のこと、友達のこと、嫌なこと、楽しかったこと、ほとんど話さなかった。
園で何をしているのか日々のことなどはママ友からの情報だけが頼りだった。
「今日は何してた?」と聞くと「森(園にある)で遊んだ」など簡素なものだけだった。
いろいろ話したいことができたり、話してくれたら何でも聞こうと楽しみに思っていた。
自分が話したいと思ったら話してくるだろうと思い、それを待つことにしていた。
特に行きしぶりもないし嫌そうな態度もないので、
「嫌なこととかされてないか」などマイナスな言葉は一切こちらからは聞くことはしなかった。
だけど、ピアノの件が気になり、ある時思い切って幼稚園から帰宅後いつものようにすぐにピアノに向かおうとするnatsukiに聞いてみた。
「幼稚園、楽しい? 何か嫌なこととかない? 」
「ない」
「なんでも話していいんだよ」
そうしたらいきなり号泣しはじめ、「なんでそんなこと聞くんだよ」と叫んだ。
こんな泣き方は初めてだったし、叫ぶことも大声も初めてだった。
号泣しながらピアノを弾いた。
それ以上私も聞かなかったし、natsukiはなんで大号泣したのかは一切話さなかった。
琴線に触れてしまったのか、何かたまったものを持っていたのか、言葉にできないものだったのかもしれないと思い、
聞いたことが良かったのか、悪かったのか、わからない。
園にも様子を聞いてみたが、「仲良く遊んでいますよ、特に問題はない」とのことだった。
それ以降も帰宅後のピアノに向かうことが続いたが、半年くらいたった頃、ぱったりとピアノに向かうことがなくなった。
言葉にするのが苦手であるのは今でも変わらないnatsukiだ。
その半年間(もしくは園生活が始まってからの溜まったもの)に、園生活で何かあったのだろう、
先生にもわからない何か、それともnatsukiにも言語にできない何か。
半年くらいでなくなったのは自分なりに何か解消できたということなのか。
今、書いていて、もっと違う対応ができただろうかと今でもわからない。
見守るって難しい。


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by akisaku1231
| 2021-02-19 10:45
| 息子(違和感1)