2019年 02月 08日
母の離婚(3/7)
あれ以降、母は夜はいつも私の部屋で寝ていた。
数日後(だったか)、また夜遅い時間、父母の言い争いがまた聞こえてきた。
最初自分の部屋から出ないで声だけは聞いていたが、あまりの大声と過激さに顔を出すと、
父「いろいろ証拠は掴んでいる。」
「ホテルまで行って確認してきた。」
母「気持ち悪い、そんなことまでして。」
「プライドはないの?」
「恥ずかしい」
父「あっちの方が相当いいのか(性)?」
母「子どもの前でそんなこと言わないで。下品すぎる」
バトルはエスカレートし怒鳴り合いで恐怖を感じた私は「終わりにしなければ今すぐ警察に電話するよ」と受話器(黒電話)を持って110番を回そうとした。
すると、二人は黙った。
母は言い訳をするように
「パパは誤解しているのよ。あんなにどなっちゃって。恥ずかしいわ。」
「絶対に浮気なんかしてないのよ、信じてくれるわよね」
私はまた母を信じた。父がおかしくなってしまったのだと思った。
その当時、母が大嘘を平気でつく人だと思わなかったのだ。
父の話もきちんと聞かず母の言い分を証拠もなく信じてしまった自分が恥ずかしい。
後日、母は「離婚なんか考えていないわ。」
「だって浮気なんてしてないもの」
「子どもたちの将来のために離婚したら大変でしょう」
「あなたたちのためにね」
「でもパパがおかしくなってしまったから家にいられない。とりあえずパパに内緒で家を出るから」
数日後、夜逃げするように母は貴重品のみ持って家をでた。
母がどこに行ったかというと、母の彼氏(不倫相手)のところだった。
今まで母は転々としながらパートで働いていた。
そのうち趣味で知り合った自営の男性と知り合い、仕事を手伝って欲しいと言われ、その男性のところでパートをしていたのは知っていた。
パート勤務中のお昼に、その男性に誘われホテルランチを奢ってもらったなど、よく高級な場所に連れてってもらったと母は私や父に自慢していた。
「こんなところに連れてってもらって美味しかった」
「初めてあんな素晴らしいところに行ったわ」
母が大好きな上流階級?(お金持ち)を存分に満たしてくれる男性だった。
そういう話を聞いても疎い私はおかしいとも思わず「へー、よかったね」ぐらいにしか関心がなかった。
浮気など全く考えも及ばなかった。
今思えばそんなことを毎回聞かされていた父がおかしいと思うのも当然だろう。
そして証拠をつかんだのだと思う。
母を盲信していた自分は、不倫相手の男のところに逃げていった母の行動を知っても
まだ母が嘘をつくとは全く思えず、今振り返ると母による洗脳としか思えない!
逆に父の行動が理解できなかった。母とその男性が行った場所などの証拠を掴むなど気持ち悪いと感じていた。
結局は父の話していた通り、母は浮気をしていたのだ。
後日、男性のことを詳しく母に聞くことになる。
男性は妻と子ども(社会人)の家族がいて妻とは数年前から別居中とのことだった。
なのでマンションには男性だけで住んでいたため母は転がり込めた。
ダブル不倫をしていたのだ。
その状況を今振り返ると、とんでもないことだと思えるのだが、その当時私はその男性と母のことは興味がなかった。
仲が悪い両親の怒鳴り声を聞くのが耐えられなかったから、やっと離れてくれてよかったくらいだった。
不倫相手と暮らし始めた母は豪華なマンション暮らしや豊かさに大満足で、私に今まで以上に自慢ばかりしてきた。
まるで結婚したかのように、
豪華な嫁入り道具一式を買ってもらっていた。
桐の和ダンス、洋服ダンス、鏡台、婚礼布団、全て高級品だそうだ。
「夫が怖くて夜逃げしなければならなくなって何も持たずに出てきたから何もないの」と母が話すと、
男性が「まずは全部揃えよう」。
母が欲しいブランドの洋服、バッグ、靴、アクセサリーをたくさん買ってもらい、
母はその度にここで買ったの、有名ホテルでランチディナーを食べた、美術館博物館に行ったと、
毎回私に夜電話してきて細かく嬉しそうに話した。
私は全くそういうものに興味がなかったので右から左に流していた。
母は当然自分の家族や男性の家族など二の次だった。
自分のことが一番だからだ。
少したち、母が父のことを非難してきた。
「パパが男性のことを脅してきたのよ、慰謝料払えって」
「相当ふっかけてきたらしいんだけど男性は揉めるのが嫌いな人だから全額言われた通り払ったのよ」
「パパって本当に嫌だわ。お金でなんでも解決しようなんて一体何様なのかしらね」
「意地汚いわ」
「そんなお金もらって何か買っても気持ちよく使えないじゃないね」
などと話してきた。
私と父は全く話さなかったが、私と父と実家で過ごしていた。
私は父と顔をあわすことはほとんどない生活だったので、
まさかそんなことをしているとは想像もしていなかった。
私は母側についていたので、母が浮気をしていたことについてきちんと考えてみたことはなかった。
というより想像するだけでも気持ち悪いので考えなかったという方が正しいかな。
母への盲信は今考えると相当だったと思う。
父が慰謝料をもらったという事実の方が浅ましいと蔑んだ。
父は後日そのお金で高級車を買っていた。
母曰く「慰謝料で高級車を乗り回すなんてプライドがないのね。恥ずかしいわ」
「彼(浮気相手)に対しての対抗心かしら。やだわ、恥ずかしい。
彼は○○○(高級車)に乗っているのよ。その車、本当に乗り心地がいいのよ」
母は昔から私には本音(何を言っても)を言っても誰にも喋らない(ようにさせられた)から、
心に感じたまま罵詈雑言など含めて話していた。
まさか、覚えているとは思っていないだろう。
にほんブログ村
by akisaku1231
| 2019-02-08 22:54
| 私の生育、環境

