母の離婚(2/7)

母はいつも父の愚痴悪口を私に話していた。

父は母を含め誰かの愚痴悪口を話しているところを見たことがない。

妹は留学中のため、家は３人暮らしだった。

夜、父と母が何か言い争っていた。

父が母に大声で言い返す姿、口論など初めてだった。

内容がよくわからなかったが自分は関係ないと思い自分の部屋にいると、

母が「akiraちゃん助けて」と言ってきた。

巻き込まれるのは面倒だったが、いつもより大声だっためいったい何事なのかと部屋から出て父と母の間に入る。

父は興奮状態な様子だった。

「ママが不倫している。証拠も抑えてある。」

「今まで我慢してきたけどもう限界だ」

など大声で怒鳴っている。

私は母が不倫？と最初よくわからなかった。

母は私を味方につけようと必死だった（今振り返ると）。

「akiraちゃん信じて。ママ不倫なんてしてないわよ」

「パパの妄想なのよ」

「パパ、おかしくなってしまったわ」

「akiraちゃん、パパが怖いわ。助けて」

母も動揺して泣きながら私を盾にした。

とりあえずその日は父も引き下がった。

そして母は夜、「これからakiraちゃんの部屋で一緒に寝させてくれる？」

「パパがとても怖いの。なんか殺されそうな気がするの。助けて」

「akiraちゃんは信じてくれるわよね。不倫なんかしてないわよ」

「akiraちゃんだけが頼りなのよ」

その時はまだ母のことを盲信していて、父のことは母の影響で嫌い（疎んじて）だった。

だから父の言っていることに私は聞く耳も持たず、母のことだけを信じた。

まさか母が他の男性と付き合う（不倫）など全く考えられなかったのもある。

当時の私は母が嘘をつくなんて微塵も思っていなかった。

のちに、母の本当の姿がわかるようになる。

でもそれは徐々にだった。

父の言っていることが本当だったのだ。

長い間私は父のことはずっと誤解したままだった。

にほんブログ村