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母の劣等感



私の(昭和)小学校時代、毎年学年が変わるたびに担任の先生の家庭訪問があった。
今と違い(息子の時はすでになかった)、先生は家に上がり、お茶とお菓子を出していた。

家庭訪問の中で一番記憶に残る場面がある。

母が手作りしたお菓子(マドレーヌだったかクッキー)とお客様用紅茶カップをお盆に綺麗に母は並べた。
いつもの家庭訪問前の風景だ。

もうすぐ先生が来る頃、
母が「akiraちゃん、このセットを先生がお座りになったら持ってきてくれる?」
なんでいつものように母が持っていかないのだろうと思ったが、「わかった」と答えた。

そして先生が来て、母と先生が居間で話し始めた。
私は言われた通り、母が用意したお盆のセットを持ち居間に入ると、
母が「まあ、akiraちゃん、お紅茶を入れてきてくれたの? お紅茶の入れ方とっても上手よ。
どうもありがとうね。
まあお菓子までつけてくれたの?よく気がついたわね。
お皿に綺麗に並べてくれたのね。
本当に偉いわ。いつも気がきくわね。ありがとうね」
と先生の前で、私を恥ずかしいくらいに褒め称えたのだ。

私はただ言われた通りにしただけなのに。
母がセットしたそのままを「持ってこい」といったよね。紅茶は母が入れたよね。
母のあからさまな態度の変わり様にただびっくりした(写真を撮ったように覚えている)。

記憶にある母の態度への違和感はこの頃から「あれ?」とこんな私でも気づくようになる。
私から見ると下手なお芝居をする母のことが、何の意味があるのかよくわからないことが多かった。
母のことが大人になってわかりだすと、ああ母らしい、納得苦笑いばかりだ。

電話(その頃は黒電話)の母も異様な言葉遣いだった。
3オクターブくらい声を高くし、聞いたこともない言葉遣いをしていた。

母は良くも悪くも見栄っ張りだ。
貧乏暮しなのに、外面は裕福そうに見えるような態度は涙ぐましいほどだった(これは今だから思う)。

母は相手次第で態度言動を明確に変えた。
上品で裕福だと思わせたい、そういうときの母の言動はわかりやすい。
例えはファミレス、レストラン、カフェ、洋服店、デパートなど家から一歩出た先で
上品に見られたい場合、何にでも「お」をつけるということ。
常時同じ言葉遣いなら構わないのだが。

おコーヒー
おビール
お紅茶
おタバコ
お鏡
わたくし
「〇〇でございますの」
「〇〇でますの」
などなど

これは昔も現在も変わることがない母だ。

例えでいうとスネ夫のお母さんみたいな話し方だ。
うちの母は使い慣れていないのは明白で、頓珍漢な言葉を使うので痛すぎて誰も指摘できない。

外、内を使い分けることは私も理解できる、私にもある。
母はそうではなく異様滑稽なのだ。
本人は必死にお上品に取り繕っている(お嬢様育ちであるかのように)。
せめてその時だけでも表面上、言動態度が一貫していればいいのだけど、
その言動中でもボロが出て周囲はドン引き状態にも気づかず、
ギャグとしか言いようがないのに、本人真面目で哀れを誘うくらいなのだ。。

自分の素を知っている相手(親戚や、自分より下位にいると思っている(勘違い))には、通常モードの言葉だった。
また、母は自分より下だと感じる者への態度は当然のようにあからさまに横柄で失礼だった。

私と妹に上品な言葉遣いや振る舞いを母から強制されたこともない。
子どもの身なりなどにも母は関心がなかった。
ただ母とお出かけする時は娘にこれを着なさいなど、お出かけ用のみの綺麗服を指示した。

上には差別されたくない必死さと、下には差別したい欲求をあけすけに態度に表すことができる、そんな一面を持っている母だ。




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by akisaku1231 | 2019-01-17 17:34 | 私の生育、環境
母(強烈な性格?)の娘である私akira(おそらくadd)との関係 そして一人息子natsuki(add)との関係についてのブログ